グリーフケアから人間理解を深める
キャリアコンサルタント鈴木さくらです。
新年度が始まりましたね。
三週目に入って、少しずつ落ち着きを取り戻した頃でしょうか。
春は別れと出会いの季節。
皆さんはどんな別れと出会いがありましたか?
私はこの春、昨年12月から準備を進め、合格通知を受け取った上智大学グリーフケア研究所に入学し、ピカピカの一年生になりました。
社会人になって大学・大学院と続き、3度目の学生です。
グリーフとは喪失体験に伴う悲嘆のこと。
多種多様なバックグラウンドを持つ同級生48名と共に2年間、グリーフケアとスピリチュアルケアについて学び、実践をしていきます。
私を含め、同級生は何らかの喪失を経験しています。大きな悲しみや痛みを経験して、それに向き合い意味を見出し、どうケアするといいのかを心で理解し実践したい。
それが私たちの共通点。
私たちはこの人生において、喪失体験を一度も経験しない人はいないですね。
にもかかわらず、グリーフケアを学ぶ機会がないまま年齢を重ねる人の方が多い。かく言う私もそうでした。過去の喪失体験はもちろんのこと、この先の人生でも喪失体験は避けて通れないので、グリーフケアを通して人間理解を深めたい。そして、身近な愛する人たちやキャリアコンサルタントとして出会うクライエントが喪失体験を迎えたときに、何か力になれたらと思います。
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「私は皆さんお一人おひとりのお名前を存じ上げませんが、皆さんのために毎日お祈り申し上げます」
入学式では、シスター高木(先生)の数々のお言葉が沁み入りました。
私は特定の宗教を信仰していないのですが、毎朝毎夜、ささやかながら手を合わせ、お祈りをする時間をとっています。朝は、その日一日が迎えられたことやいつも見守ってくれていることに感謝して、その日予定していることを報告して、私を含むみんなが笑顔で幸せに過ごせますように、と。夜は、どんな一日だったかその日を振返って報告して、無事終えられたことに感謝を伝え、おやすみなさいとご挨拶。
ときには胸を痛めた出来事に対して悲しい気持ちや何かに対する不安感、悔しい気持ち、一方でうれしくて舞い上がる気持ちや喜びなど、生々しく吐露するときも。
こんな風に改めて書いてみるとなんだか大そうなことのように見えますが、いつの頃からなのか覚えていないくらい、昔からの習慣です。目をつむり、手を合わせてお祈りをすると、静けさや安寧を取り戻せるのが、お祈りの不思議なパワーです。おそらく、お祈りはグリーフケアにもどこかで通じるのではないかなと思っています。
入学式でシスター高木に促され、入学生みんなでご唱和した、私の大好きな言葉。
『神よ、変えられないものを受け容れる心の静けさと、変えられるものを変える勇気と、その両者を見分ける英知をお与えください』。
ここからの2年間、すばらしい師に教えを乞い、同級生とともに学び、たくさん成長していきます。
(おしまい)
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